嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生
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実家で姉に「何か面白い本キボンヌ!」って言ったらこれが出てきました。
実際面白かったです。ひどく長くて徹夜で読んじゃいました。読むの遅くてすいません。


大学生の笙は、何の前触れも無く上京してきた父に、突然その事実を告げられる。
自分には松子という名の伯母が居て、何者かに殺されたと。
今まで伯母の存在を知らなかった笙にはどうでもいい話だったはずが、誰からも嫌われていたという松子の一生を調べるうちに引きずり込まれ、やがて誰よりも彼女の人生を知る人間となる。

松子は国立大学を出て国語教諭となった。父親の機嫌をとるばかりの自分、そんな自分より愛されている妹の久美。全てが幸せではなかったとしても、傍目に見れば人生の全てがうまくいっているはずだった。
だが、ひとつの過ちが彼女をその暮らしから転落させてしまう。そしてその後彼女の元に訪れる幾度の人生の転機。ずっと男にすがり愛されることを望んでいた松子。だが尽く彼女の想いは裏切られ、失意が襲う。風俗から覚醒剤・・・転落しては何度もやり直そうとする松子だが、その度に打ちのめされる。
そして彼女は人を信じることをやめた。

笙の視点で松子の人生を調べる章と、松子の視点で人生を歩んでいく章が交互になっていて、それも読者を惹きつける面白い構成になっている。松子の人生は決して幸せなものではなかったけれど、なんて人間的なんだろう。こんな人生実際にはありえない、そう思いつつもそれを押しのけてしまうリアリティがあった。
何故彼女は殺されなければいけなかったのか?ラストでその疑問の答えに行き当たった時、私も笙と同じ怒りを感じたのだろう。

最後に、笙とその彼女明日香のような関係が素敵だなぁと思ったとさ。

Tatsuya/spyral について

ぎりぎりアラサーな雇われ機械設計技術者。工作機械・航空機搭載機器・自動化ラインなど広く浅くやっております。使用可能ツールはCATIA,Inventor,Pro/E(Creo),Femapなど。 岡山県在住。大阪、名古屋に在住歴。熱しやすく冷めやすい、広く浅いオタクです。中学の頃から中二病+PCオタクを発症したままオッサンになりました。二次元ではない嫁を探しています。 ガジェット、カメラ、Android、3Dプリンタ、フィギュア造形、に興味があります。 積ん読好きです。読書目標は100冊/年。
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5 Responses to 嫌われ松子の一生

  1. T.SaTo 曰く:

    この小説「嫌われ松子の一生」は、まずはとても感動し、一気に読み終えまた。
    単行本のカバーには、著名作家が「どうしても幸せになれない愛すべき『松子』」の事を書いておられました。
    また文庫本のカバーでは、著名映画監督が「生きるのが下手な、いとおしい『松子』」について書いておられました。
    更に、女優の「中谷美紀」さんが「是非演じてみたい、一人の女性」と言っておられます。
    小説では、甥が、不器用でも精一杯生きた一人の女性「松子」について、物思う処もありますね。
    私も今でも、すばらしい小説だと思っています。
    映画化(既に撮影は終わり、編集段階との事)でも、成功を収めると思います。
    しかし、しかしです。
    50歳代の私は「松子」程ではないにせよ、少なからず、人生の「辛酸」を経験させて頂きました
    もしこの「松子」も実の人生なら「感動」とは程遠いものを実感致します。
    所謂、人間の業(さが)に翻弄される人生は、苦しみと、呻きの連続です。
    人の欲望・弱さ・愚かさ等を単純に美化出来ないのです。
    しかし小説では、他人の不幸見たさ・性的なものに対する興味もあるのでしょう。
    話は少しそれますが、こんにち毎日80人の日本人が、自ら命を絶っている社会です。
    このお話しは物語だけにしていきたいものです。

  2. spyral 曰く:

    >T.SaTo様
    コメントありがとうございます。

    そうですね。物語で良かったと思えるからこそ、安心して読み切れるのだと思います。それでいて、どこかにありそうな物語でありました。最近では老人の方の一人暮らし・孤独死がニュースでよく挙がります。この物語の結末は、決して想像の中の出来事ではないですね。そうあって欲しくないばかりですが。

  3. ささやかな市民芸術者 曰く:

    SaToさんに少し同感です。
    怒りの場面は現実ならまさに地獄ですよね。
    抽象的ですが「蕩尽」が「美」とは思いません。
    ただし映画は原作とは違ったトーンで描かれる
    ようですよ。

  4. とよしま 曰く:

    僕は少し考えが違います。
    本でなくて映画のことですみません。
    ファンジックで、とても楽しめる映画になるようですよ。

  5. さと すずき 曰く:

    T.佐藤さま。
    ちょっと違うかもしれないけど。
    小説は楽しむもの(エンターテイメント)だと思いますよ。
    ミステリーやサスペンスも、性的なシーンや、人をあやめるシーンがありますよね。
    いちいち深刻になっていたら、読めなくなってしまう。
    別に、小説は人生論?じゃないでしょ。
    でも、それぞれの人たちのご意見は、みんなそれはそれで尊重します。

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