2012年5月の読書メーターまとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2208ページ
ナイス数:24ナイス

1Q84が相変わらず面白いです。今Book3(文庫版5冊目)を読んでいます。
おそらく私では一生かけても到達できない視点から物語が紡ぎ出されていく・・・
なんだか不思議な感覚です。
あちら側。理屈が理由にならない世界。

一方で今月よく読んだミステリ数作はどちらかというと、こちら側。
理屈の通る世界、というべきでしょうか。
これもすごく楽しい。

「氷菓」は5年ぶりの再読。まさかアニメ化とは。
今書店に並んでるやつは、表紙の帯がカバー並にでっかくなってて、
一気にライトノベルっぽくなってます。

映像化は歓迎なのですが、キャラクターのイメージが固定されちゃうので
活字で読むことの楽しみが一つ、消えてしまうのが少し残念ですね。

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森見 登美彦 : 宵山万華鏡

宵山万華鏡
宵山万華鏡

posted with amazlet at 09.09.20
森見 登美彦
集英社
売り上げランキング: 16836

前作よりは面白い。テイストは「きつねのはなし」に近い、どこか不気味な連作短編集。宵山の雰囲気を味わってないとなかなか没入するのは難しいのではないかと思うけど、逆にこれを機会に宵山見物に出かけるのもオツなものかもしれません。

森見登美彦:恋文の技術

恋文の技術
恋文の技術

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森見 登美彦
ポプラ社
売り上げランキング: 258

森見氏初の「書簡体小説」であるという。登場人物の行動や人物像は、全て主人公であるところの守田一郎氏からの手紙でしか語られないというのがユニークである。
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森見登美彦氏とかぐや姫モドキ

 最近更新が頻繁であるなぁと思っていたら、こういうことか!

2009-01-06 – この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

 我が愛すべき作家の一人であり、先日も「夜は短し歩けよ乙女」(文庫版)を愛でたばかりである森見登美彦氏であるが、あろうことか今回結婚なさったらしい。

 この裏切り者!

 と声高に叫びたいのは私だけではあるまい。
 
参考:角川書店の編集長フェアでの登美彦氏の勇姿

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森見 登美彦:きつねのはなし

きつねのはなし
きつねのはなし

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森見 登美彦
新潮社
売り上げランキング: 88063

 いつもの森見氏の作風が「京都の陽」であるならば、この作品は「京都の陰」と呼べるだろう。他の作品のような堕落した京大生もでてこなければ、笑えるエピソードも存在しない。京都を舞台とした妖しい物語集である。
 短編集ではあるが、どの作品も深く京都を感じることができるし、かついつもと違った切り口で語られる森見氏の世界を堪能できる。
 もう過ぎ去ってしまったが、夏におすすめの一冊であった。

森見 登美彦:四畳半神話大系

四畳半神話大系
四畳半神話大系

posted with amazlet at 08.12.14
森見 登美彦
太田出版
売り上げランキング: 161443

 例に違わず、京都に住む大学生のしょーもないけど味のあるお話を、おもしろおかしく描いた物語である。 
 全四章(四話)仕立てであるが、ちょっとした仕掛けがあってその構成だけで楽しめる作品とも言える。4話の順番が重要であって、この順番でなければ作者の言わんとするところが伝わらないと思う。

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森見 登美彦:有頂天家族

有頂天家族
有頂天家族

posted with amazlet at 08.07.14
森見 登美彦
幻冬舎
売り上げランキング: 7085

 私は自称、森見氏のにわかファンだけれど、さらにその傾向が強まりそうに感じた一冊。

 今まで京大生が破天荒な言動をする作品ばかりであったが、今回は舞台こそ京都なれど、狸の家族のお話である。

 狸やら天狗やらが出てくるというと、いかにも幻想的な物語であるかのようであるが、むしろ京都に行ったら本当にそこらに狸が歩いているのでは、と思ってしまうほどの力強さを持っている。

 狸も大変なんだなぁー。とほっこりしつつ、終盤のスピード感あふれる展開に思わず涙してしまった。しかも狸のツンデレまで登場。

 この本はいい。

 簡単に読めるのに、面白くって感動する。
 最高じゃないか。

琴音 らんまる:夜は短し歩けよ乙女 (2)

夜は短し歩けよ乙女 (2) (角川コミックス・エース 162-3)
琴音 らんまる 森見 登美彦
角川グループパブリッシング

 1巻が酷かったので2巻は決して買うものか、などと思っていたのだがこの爽やかな表紙を前に私の信念は軽く崩れ落ちてしまった。
 しかしそれが正解であったと気づく。1巻に収録されていたオリジナルストーリーは世界観ぶちこわしの酷い内容だったが、2巻になって多少の丸みを帯びたか、はたまた作者が悟りを開いたのか、悪くないと思える出来になっている。
 ひょっとすると私の原作への熱い思いが冷めかけていたからかもしれない。

森見 登美彦:太陽の塔

太陽の塔 (新潮文庫)
太陽の塔 (新潮文庫)

posted with amazlet at 08.07.14
森見 登美彦
新潮社
売り上げランキング: 2907

 森見登美彦氏のデビュウ作。
 彼女に振られた大学生のストーカーじみた奇行と彼を取り巻く人々をおもしろおかしく描いた作品である。
 とにかく、勢いがある。はて、大学生とはかようなものであったかしらん、と疑問に思うこともしばしばであるが、そんなことを考えている間に次のページが読みたくて仕方がなくなるのである。
 不可解な事も多いがそれもまた一興か。楽しまなくては損な一冊。

森見登美彦:「夜は短し歩けよ乙女」

 「森見登美彦」が予測変換候補に出てくるATOKちゃんは改めてすごいと思う。

夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女

posted with amazlet on 08.03.28
森見 登美彦
角川書店 (2006/11/29)
売り上げランキング: 901
おすすめ度の平均: 4.5

5 好みがわかれる作品
3 変わった文体で書く若い人の登場か?
5 なんだか懐かしい感じがして…

 さて、「夜は短し歩けよ乙女」である。
 この物語は、迫り来る仕事の山になんとか打ちのめされずに帰ってきた私にとってのこの数日間の清涼剤であった。私のような薄汚れた準オッサンにはまぶしすぎるほどの可愛らしさをもって、この本は私を迎え入れてくれたのだ。

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