乙一
集英社
売り上げランキング: 6,735
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おすすめ度の平均:
巧い!
すごい!この奇妙さは新感覚
とにかく読んでみて!
Amazon式でいくと個人的には星三つといったところだろうか。死体が語り手である「私」という手法にはたしかに度肝を抜かれる。殺されてしまったにも関わらず、淡々と語りつづける「私」の死体。いや、実際に喋っているわけではないけれど、その語りによって、事件の内容と無邪気な残酷さが浮き彫りになり、何とも言えぬ不気味さがじわじわと心に迫ってくる。
これが初めて読む乙一作品であったら間違いなくノックアウトされていたに違いない。けれどもこの後に続く作品群に星4つ以上を与えてしまったので、残念ながらこの作品は星3つというわけ。
表題作以外にも、後半に「優子」という短編が収録されている。こちらはまた違ったテイストでありながら意外性を含ませており、乙一氏独特の雰囲気を垣間見ることのできる作品に仕上がっている。おすすめ。