森先生の作品にしてはライトな仕上がりになっていて、サクサク読み終えることができた。(とはいってもずいぶんかかってるが…)まるで短編コメディの連作を見ている気分であり、馬鹿馬鹿しいというか、間抜けなお約束のど真ん中のツボをおさえてくれているので気分爽快だ。
ZOKUというのは、とにかく金を持て余したジジイが地味~なイタズラをするだけの組織である。それに対するTAI(洒落ではない)は、その地味なイタズラを阻止しなければならない、ある意味狂気じみた組織である!
しかもこの二人のジジイは素敵な秘密基地まで持っている。TAI側は真っ白な機関車(どうもJRの線路に乗り入れて日本中を駆け回れるらしい…)、片やZOKUは真っ黒なジェット機である。壮大なお馬鹿なジジイ二人の意地の張り合いというか、なんというか。
ジジイをサポートするために登場するキャラクターも個性があって魅力的である。まぁどこか頭のネジが狂ってるのばっかりが揃ってるんだけど、実際の人間を改めて観察するとこういうものなのだろうなぁと思う。ZOKU側も、TAI側も、それぞれがそれぞれの思惑で動き、どこか活き活きしている。キャラクターが活きる、とはこういうことなんだろう。
で、物語のオチは・・・森先生らしい終わりでした。