人様にオススメできるほど私も多読していないので、オススメ本ではなく「暇なときにでも読んで下さい」程度にご紹介させて頂きたく思います。
とはいえ、私が面白いと感じたのは事実なので、この体験を共感して下さる方は随時募集中です。
1.森見登美彦:夜は短し歩けよ乙女
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 228
単行本は2006年出版なのですが、読んだのが今年になってしまいました。森見登美彦氏の物語に出会わせてくれたという意味で、大きな影響を持つ一冊になりました。
同じく森見氏の「有頂天家族」も、狸が主人公という可愛らしい物語。
こちらも京都を舞台とした作品ながらも、また違った味わいを持っています。
他の著作も同じく京都を舞台としていて、登場人物が作品を超えてリンクしていたりします。かといって、連作ではないので前作を知らなくても楽しめます。こういった仕掛けは気づいたときに楽しいですね。
2.マイクル・コーニイ:ハローサマー、グッドバイ
河出書房新社
売り上げランキング: 20164
ごく最近レビューを書いたばかりなのですが、自分で読み返しても十分にこの作品の魅力を伝え切れていない気がします。
少し古いSFでありながら、表紙の片山若子さんによるブラウンアイズの可愛らしさがまず目にとまりますよね。多分、原作者が想定していたブラウンアイズとは違うでしょうが、私にとってはこのイメージで間違いありません(笑)。
山岸真さんによる新しい訳もイメージにぴったりと言えるでしょう。
SFという堅苦しいイメージを払拭し、読みやすい文体で仕上げてくれています。
冒頭に「これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっと他の多くのものである」との作者の言葉があるのですが、この小説の特徴を端的に表している素晴らしい言葉だと思います。
最後の最後でSFならでは、といった大きなどんでん返しがあって、読み終えた後もかなりの時間「この物語はいったいどうなってしまうのか?」といった余韻に浸ること間違いなしです。
3.桜庭一樹:赤朽葉家の伝説
登場人物や、実在しないはずの土地がそこにあるかのように感じられる、虚構なのに確かなリアルさを持った作品です。生々しさと少しのファンタジーをもって描かれる、親子3代に渡る女性の物語です。
以下にAmazonの著者コメントから引用させて頂きます。
。不思議な千里眼を持ち一族の経済を助ける祖母、万葉。町で噂の不良少女となり、そののちレディースを描く少女漫画家となって一世を風靡する母、毛毬。何者にもなれず、偉大な祖母と母の存在に脅えるニートの娘、瞳子。三人の「かつての少女」の生き様から、わたしたちの「いま」を、読んでくれたあなたと一緒に、これから探していけたらいいなぁ、と思っております。
鳥取というローカルな土地で描いたものであるはずなのに、ぐいぐいと引き込まれていくスケールの大きさには驚きます。とにかく物語のテンポが良く、まるで映画を観ているかのように展開が気になります。この本には小説で味わえるうちの最高級のエンターテインメント性が存在するように思います。
4.佐々木譲:警官の血
「赤朽葉家の伝説」と対をなすようだ、と思った一冊。
同じく親子3代に渡る昭和の物語なのですが、こちらは警察の現場での事件を追う男の物語です。物語の展開が気になるといえばこちらのほうが強いでしょうか。
父の背中を一生追いかけながら警官として生きるということ、警官として大切なものをそれぞれ見つけ出すということが重々しいながらも読みやすく仕上げあれています。
5.犬村小六:とある飛空士への追憶
小学館
売り上げランキング: 354
ライトノベルからも一点。
この作品、筋書きはありきたりです。ありきたりすぎて感動はありません。
だからどこが優れているとはいいにくいのですが、「これぞライトノベル」であって、最近の乱立されるファンタジー・恋愛・キャラ萌え的なライトノベルにはない作風だと思いました。
表紙をごらんになれば解るように、もちろんビジュアル面からも推す仕組みのライトノベルにはなっているのですが、最後まで読んだ後にこの表紙を見ると、また違った感動をもたらすのです。
以下は次点。
有川浩:図書館戦争シリーズ
ベッタベタのラブコメ。閲覧注意。
万城目学:鹿男あをによし
田中ロミオ:人類は衰退しました(2~4)
ほんわかふわりです?
癒し系ライトノベル。
東野圭吾:手紙
今更ですけど、今年読んでしまったので仕方がない。