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公開当時から興味津々ではあったけど、いつの間にか岡山での上演は始まってたり終わってたりしたので、DVDを待って鑑賞した。
どこかで見たような絵柄だと思ってたら、そうか貞本氏のキャラデザだったのか。すっかり忘れていた。興味があるふりしてあんま興味なかったんじゃないか、自分。
あまり映画もアニメも数を観たわけじゃないし、筒井康隆氏の原作も読んだことない。よって相対的な評価はできないかもしれないので、絶対的に感じたままを書いてみよう。
まず、さわやかだ。
夏の終わり、落ち着かない心、戻せる時間、戻せない気持ち、涙。
決して泣ける話ではないが、観た者の心に切なさを与えつつも、それを綺麗に拭い去ってから去っていってくれる、そんな跳躍を魅せてくれる。
良くも悪くも、時間跳躍というSFを軸に据えているという感じがしない。小難しいことを考える必要はないが、逆に設定上は甘い点も出現しているように感じられる。そういったユルさを許せる物語であることが救いであり、魅力。
同じ時間を何度か繰り返すわけだが、それぞれの時刻における特徴的な出来事がフラグのように描写されているので、”跳んだ”先の時間が何時であるか、解りやすく表現されているように思った。
時間跳躍時の演出はちょっとチャチいのではないかなぁ。他は綺麗だった。主人公の真琴の声優はほぼ素人起用ということだがなんとか大丈夫なレベル。しかし妹の声とか友人の声はそれなりにひどい。素朴さと棒読み加減さを間違えてるんじゃないかしら…
ストーリーの流れは良いけど、中途半端な気もする。真琴の恋愛的な面と、自分勝手な性格の面、軸が二つあるような。「自分勝手な恋愛の面」とすれば片付くのかもしれないけども。恋愛?というのもちょっと違う気がするが、なんと表現していいのか。
とまぁ勝手なことを言いましたが、観る価値のある作品なのは間違いない。90分ちょっとながら、全体のまとめ方も特に強引な感じもしないし、これからの季節に特にオススメ。
中学~高校生あたりに観てほしい。「名作」を観る度に毎回思うことであり、先人たちも同じ言葉を遺したんだろうけども。若い頃に観る・読むべき作品ってのはあったよ。これからもあるだろうよ。
さて、姉妹作でもなんでもないが、下記「タイム・リープ」も時間跳躍を柱に据えた作品で、なかなか読み応えがあった。ジャンルとしてはいわゆる「ライトノベル」に相当するが、当時は「平成の時かけ」とも言われたよう。SF的な味付けのほうが強かったように記憶している。
メディアワークス (1997/01)
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