Father

Father | 螺旋日誌そろそろ定年を迎える父。
そんな父は、なかなか大学を卒業しない私や家族を支える為に
不満も言わず、真面目に仕事をしてきた。

仕事の時は、何を考えていたんだろう。
仕事をしてない時は、何を考えていたんだろう。

お宝鑑定団が好きで、再放送まで欠かさず見ていた父。
居間の隣の父の部屋から、よくテレビの声が聞こえてきたっけ、でも覗いたらよく居眠りしてた。
妹とよくパンやアイスの取り合いをしてた、無邪気な父。
「子供がもう一人居るみたいだ」って、よく母に言われてた。
タバコが大好きで、ずっと家族に煙たがられていた父。
いくら止めろって私や母が言っても聞かなかった。
決して自分からは何も話さないけれど、きっと家族を愛していた、父。


その父が、26日の朝亡くなった。
バイトに行く準備をしていた私の携帯電話に、妹から父が倒れたと電話があった。
すぐに岡山までの新幹線に飛び乗る。

岡山まで46分。
最速で着いた私は、実家に電話をする…

すでに息をひきとっていた。
享年57歳。死因は不明、突然死。

朝食を食べ、食後の一服のためにちょいと外へ出、
そして居間へ戻ってくるところで突然倒れたらしい。
すぐに救急車が呼ばれたが、既に心肺停止、意識不明…

人の命は本当に儚い…いつ何があるかわからないよ

何も…親孝行できないまま、逝ってしまった。
まだまだ親子でやってないこと、色々あるのに…
母と約束していた旅行もいけず、孫の顔も見ず、父は幸せだったのかなぁ…

その晩は、母も、祖母も、姉も、妹も、そして私も
涙が枯れるまで泣いた。泣くことしか、できなかった。

いくら泣いても、もう父は喋らなかった。

あれから一週間。
私は大阪に戻ってきた。
この部屋は、一週間前に飛び出したままの姿で、私を迎えてくれる。

でも確実に、父はもうこの世に居ない。
父のことを考えれば、悲しくなってしまう。
こっちにいれば、忘れてしまうのは簡単だけれど。
それでも何かの拍子に思い出す、父の穏やかな笑顔を。
いつか私も、あんな風に自然に笑える父親になりたい。


父さん、ありがとう。
私は、24年間幸せでした。
別れは辛いけれど、もう泣かない。
これからも幸せで居られるように、見守っていて下さい。

コメント

  1. 日光 より:

    ご冥福をお祈りします。

    すぱさんは、御父上といい関係を築けていたようですね。
    それこそが親子の間に一番重要なことだと思いますし、御父上にとっても
    そういう関係の息子が居るというのは幸せだったのではないでしょうか。
    それこそが一番の親孝行だと思います。

    また、父親のために涙を流すことができるすぱさんが羨ましくもあり。
    自分はすぱさんのように涙を流すことは出来ないでしょうし、
    父親もまた自分のために涙を流すことはないでしょうから。

    駄文失礼しました。
    不快、不適切な文章等ありましたら撤回しますので、指摘お願いします。

  2. spyral より:

    不快だなんてとんでもないっす。弔辞ありがとうございます。
    ていうかこういう挨拶を頂いてなんて返せばいいのかわからない私は長男失格

    いい関係だったかなと考えると、どうでしょうね。
    私は父のことを尊敬していましたが、父から見るとほんとどうしようもない息子だったと思います…
    それでも決して声を荒げて怒ることはしませんでした。
    本当に、怒るということを知らない人でした。

    泣いたのは父のためなのでしょうか、私にはわかりません。
    多分自分のためなんだろうね。

    実家が女ばかりになってしまったので、ほんと不安なんです。だれか姉と結婚して婿入りしてくだs
    このままだとUターン就職だなぁ。
    田舎だけど、それもいいかナ…

  3. おさる より:

    読んだ時になんていっていいかわからずなにもできなかったです。人が死んだ時泣いてくれる人がいるってことは変な言い方ですがいいことだと思います。そんな家族を持ったスパさんのオヤジさんは幸せだったと思います。心からご冥福お祈りします。

  4. トキ より:

    ご冥福をお祈りします。

    親孝行が出来なかった…父は幸せだったのか。と、ありますが…。御父上は幸せだったと思いますよ?
    だって、自分の事を思い出してくれる人が…そして、思い出してくれる自分の姿が笑顔なら……凄く、嬉しい事だと思います。

    短い上に駄文でもうしわけないです…。
    正直、何もかも中途半端な若造なため…こういうときどういう言葉を、どういう文章を書けばいいのかわかりません。
    もし失礼や不適切な文があれば撤回させていただきます。

  5. spyral より:

    二人ともありがとう。
    こうして言葉をかけてもらえる私も、かなりの幸せ者だと思います。

  6. じゃんく より:

    ご尊父のご冥福をお祈りいたします。

    すぱいのお父上に対する気持ち。
    俺もよく理解できます。俺もとても親孝行っていえる息子でも長男でもないから…。
    (どちらかというと親不孝だな、やっぱり)

    子供おらんけど、親という立場で考えれば、自分の子供が健康で、元気で、やりたい事をやっていれば父親って結構幸せなんじゃないかと思います。
    親孝行は生きてる間だけとは限りません。

    父上との思い出もっと欲しかったと思いますが、
    その分残された家族を…と父上も思っているかもしれません。
    なんか上手く言えないけど。
    そう思いました。

  7. spyral より:

    じゃんくん、ありがとう

    父は、これでもかって言うほど真面目な人でした。
    でも、私の不真面目さについて何も言いませんでした。
    それがちょっと寂しかったりしました。
    でもそれをいい事に好き勝手やっていた自分がいます…。

    これからもとりあえずは元気で居るのが一番の親孝行だとは思います。そして、父に見せられなかったいろんなこれからの私のこと、あの世で父に愛想つかされないように一生懸命生きるのが私の務めだと思います。

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