今更ですが、電車男が近所の本屋に置いてあったので軽く目を通してみました。中を開いてみてびっくり。全部横書き(つまり2chに書き込まれた姿そのまま)で製本されてるんですね。しかもレスを省略することなく(一部省かれているものもあるんでしょうが)事の始まりからすべて印刷してある。いやはや…確かにこんな本は今までみたことありません。
しかし、2ch独特の言い回しや一部卑猥な表現などもそのまま表にでて来ちゃってて、ある程度なれてる私ならまぁ普通に読むことができますが(大体の顛末も知ってるので深く読んでないのですが)、これを2ch文化など何も知らない方が読んで果たして意味がわかるのだろうか?「めしどこかたのむ」の盛り上がりを、毒男達の熱い応援AAに込められた想い…そういったものがこの紙面で伝わってくるのだろうか…
私は彼の「物語」が終了してしばらくした頃、まとめサイトにて電車男の話を発見し、それこそ夜が明けるまで夢中で読んだ。これはまとめサイトの中の人の文章の上手さもあったんじゃないかな。それから電車男には触れてなかった(その後どうなったのか実は知らない)のだけれど、彼の武勇伝はあれよあれよとネット上を駆け巡り、果てには書籍化まで。
確かに彼の話には引き込まれる何かがあった。ディスプレイの向こうの、見知らぬ誰かを応援したくなった。この興奮は2chを知らない、ネット文化が解らない世代にも理解して欲しい。でもやはり、匿名掲示板という特殊性、ネットワークを通じて得られるある種の一体感等はこの本では得られない。そしてこの本を読もうとする人はきっとネットや2chにある程度通じている人なんだろう。それが残念であり、同時に少しだけホッとするのだ。