万城目 学:鹿男あをによし

万城目 学:鹿男あをによし | 螺旋日誌

鹿男あをによし
鹿男あをによし

posted with amazlet at 08.05.18
万城目 学
幻冬舎
売り上げランキング: 1228

ドラマは観ていなかったけれど、タイトルに惹かれて原作を読了。
話の方向性が全く予想外だったので、最後まで楽しく読み終えることができた。
というのも、玉木宏と綾瀬はるかでドラマ化されるぐらいなので、何かしら甘い恋愛が絡んでくるんだろうな、と思っていたのだ。
けれど、実際読んでみると驚いたことに強烈なファンタジーものだった。
「鹿男」が何かの比喩でも何でもなく、本当に「鹿の姿をした男」を指しているとは。

臨時教師として短期間だけ奈良に滞在することになった主人公は、鹿(神様らしい)の使いとして日本を守るために必要なあるモノを奈良に持ってくるという重要な任務を負うことになってしまう。
鹿が喋るという奇天烈な設定に驚くが、鹿を神様とする信仰の元ではあり得ることかもしれない。実際私たちが聞こえていないだけで、こういう鹿はいるのかもしらん、と思い始め…はしないけれど、いると素敵かもしれない。それが人間の顔を鹿に変えてしまうような、勝手をする神様であっても。

誰が敵なんだ?というのを見破るという点で、この作品はミステリーとも呼べそう。
しかし、そのネタだけでは本作の魅力としては弱い。
謎解きというより、古代の神話を土台とした上で現代の奈良で繰り広げられる紆余曲折こそ、読み応えを感じるところであろう。

タグ . ブックマークする パーマリンク.

Tatsuya/spyral について

アラフォー雇われ機械設計技術者。 試作・工作機械・航空機・自動化ラインなど広く浅くやっております。 岡山県在住。大阪、名古屋に在住歴。 熱しやすく冷めやすい、広く浅いオタクです。 二次元ではない嫁を探しています。結婚しました。 ガジェット、カメラ、Android、プラモ(AFVほか雑食)、フィギュア造形、に興味があります。3DプリンタはZortrax M200、Photon所持していますが大抵遊ばせているのでご依頼いただけれれば出力可能。 フィギュアの造形できないけどなんとなくワンフェス・ガレキ勢。 読書目標は100冊/年。(永遠の課題)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください