宇宙旅行はエレベーターで
posted with amazlet at 09.02.16
ブラッドリー C エドワーズ フィリップ レーガン
ランダムハウス講談社
売り上げランキング: 83209
ランダムハウス講談社
売り上げランキング: 83209
なぜか宇宙への旅を永遠に夢見てしまう我々にとって、この本は大きな道筋を示してくれる。また、単純に科学的な読み物としても面白い良書。しかしSFではないのだ。
宇宙エレベーターはもはや絵空事ではなく、実現可能な段階まできている。そのことを踏まえた上で、実現まで必要な予算や政治的、軍事的な問題を検討している。実際にどこに地球側の港(アースポート)を建設するのか、また理論的に必要なケーブルの長さはどれくらいなのか。研究と実用化に必要な費用は。どれもを解りやすく解説しながら、私に宇宙旅行の第一歩を夢見させてくれる。
2008年にNASAが方向転換したとしても第一号宇宙エレベータが稼働するのは2030年になるとの予測だ。私が生きている間には、宇宙旅行は無理でも稼働をこの目で見てみたい。
それにしても、「2兆円くれて『宇宙エレベーターを作ってくれ』と言われたらすぐにでも始める準備がある」などという文言があって少し笑った。2兆円。最近どこかで見た金額ではないか?
実際問題日本には建造は無理なんでしょうけどね。科学技術とお金があったとしてもそれを守りきるするだけの基盤と軍事力がない。でも、ロケットでは後進的な日本でも宇宙エレベータなら巻き返しを狙えるかもしれない。
・・・というような、ちょっと現実性を帯びた宇宙エレベーターの考え方が出来るようになる本。
ピンバック:2009年面白かった本3編 | 螺旋日誌