例に違わず、京都に住む大学生のしょーもないけど味のあるお話を、おもしろおかしく描いた物語である。
全四章(四話)仕立てであるが、ちょっとした仕掛けがあってその構成だけで楽しめる作品とも言える。4話の順番が重要であって、この順番でなければ作者の言わんとするところが伝わらないと思う。
キャラクターも相変わらず良い味を醸し出している。どこにでもいる大学生のようでありながら、その頭の中はちょっとオカシイレベルに達しており、というか森見氏の主人公いつもこんなんやな、っていう。
「夜は短し~」のような可愛らしさはないので注意したい。だが、同じようなファンタジー色は多少存在する。
ちなみに「夜は短し~」に登場するあの人もこの作品に登場しているようだ。気になる人は読んでみると一層森見ワールドが広がるに違いない。