犯罪加害者の家族という視点で描かれる、一人の青年の半生。自分のために罪を犯した兄を心の底から憎めないまでも、自分にのしかかる凶悪犯罪者の弟というレッテル。それでも届く、塀の中の兄からの手紙。
どうすればいい?
犯罪とは意外と身近なモノかもしれない。そんな犯罪を、加害者の弟という別の面から捉えさせてくれる。犯罪が持つ、もう一つの悪に気づく。
これは良書である。ただ小説としてのみならず、犯罪とは何か、何が罪なのかを考える上でも重要な足がかりとなりそうだ。
結局彼が守るべきものは何なのか?何であるべきだったのか?