小学館
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彼方此方で評判のライトノベル。
評判なのも頷ける、これぞライトノベル!という出来だ。ライトノベルの教科書というものがあるならば、それをそのまま昇華されたものが本作とも言える。儚くも美しい物語。
戦争、差別、身分違いの恋…。
王道中の王道を描きながら、ここまで洗練された物語はそうそう無い。敵地から逃げ帰る姫君と過ごす、淡く切ない5日間。
あと、あまり詳しくは書きませんが表紙が秀逸ですね。お気に入りです。
彼方此方で評判のライトノベル。
評判なのも頷ける、これぞライトノベル!という出来だ。ライトノベルの教科書というものがあるならば、それをそのまま昇華されたものが本作とも言える。儚くも美しい物語。
戦争、差別、身分違いの恋…。
王道中の王道を描きながら、ここまで洗練された物語はそうそう無い。敵地から逃げ帰る姫君と過ごす、淡く切ない5日間。
あと、あまり詳しくは書きませんが表紙が秀逸ですね。お気に入りです。
自転車のロードレースでは、エースの勝利のためには自らの勝利を犠牲として、チームでの勝利を目指さなければならない。サクリファイスとは、犠牲の意味だ。
この本を読み終えた時、この物語をミステリと片付けてしまうには難しい、深い感銘を受けるだろう。そして、犠牲とは何か考えることになる。何もロードレースだけの話ではない。私たちの実生活でも、多くのものを犠牲にして、そして同時に誰かの踏み台にもなっているだろう。
自分でも意外なことに、西尾氏の作品を最後まで読み終えるのは初めて。それは興味が無かったとかではなくて絶対面白いのがわかってるから。
森博嗣にあこがれてメフィスト賞に応募して見事受賞しちゃった本作が私のツボを突かないはずないじゃないか。ハマると散財しそうで怖かった。
…でも文庫本が出てきちゃったら買うしかないよね。装丁も綺麗なので図書館ですませるのは勿体ない。
しかし読み終えて、内容に関してはちと期待が過ぎたのかもしれない、と思った。ミステリとしては平凡かもしれない。
ただ、キャラクターはいい意味でも悪い意味でも平凡から外れまくっているし、シリーズを追うごとに面白くなるそうなので期待して読み続けたいと思う。
タイトルにもなっている「エマノン」は生命の歴史を全て記憶している女性。いや、記憶しているというより、世代を超えて体験し続けているといったほうが正しいだろうか。
この作品は、そんな彼女が放浪の先で出会う様々なヒトとの物語を描いた連作中編集。
彼女の記憶、悠久の時の流れの中で、彼らと過ごした時間はほんの一瞬でしかない。しかし彼女はそうしたスタンスでヒトと接しない。どこか達観している部分はあるが、真摯にヒトと向き合っている。
原始地球からの生命と共に歩んできたエマノンの話であるから、その内容も生命とは何だろうか、と考えさせられるものが多い。
ちなみに、鶴田謙二氏の作画でコミックスとしてリバイバルしている。今年の5月出版なのでかなり新しい作品。最近までAmazon品切れだったのだが今見たらあったので早速注文しました!
私は自称、森見氏のにわかファンだけれど、さらにその傾向が強まりそうに感じた一冊。
今まで京大生が破天荒な言動をする作品ばかりであったが、今回は舞台こそ京都なれど、狸の家族のお話である。
狸やら天狗やらが出てくるというと、いかにも幻想的な物語であるかのようであるが、むしろ京都に行ったら本当にそこらに狸が歩いているのでは、と思ってしまうほどの力強さを持っている。
狸も大変なんだなぁー。とほっこりしつつ、終盤のスピード感あふれる展開に思わず涙してしまった。しかも狸のツンデレまで登場。
この本はいい。
簡単に読めるのに、面白くって感動する。
最高じゃないか。
1巻が酷かったので2巻は決して買うものか、などと思っていたのだがこの爽やかな表紙を前に私の信念は軽く崩れ落ちてしまった。
しかしそれが正解であったと気づく。1巻に収録されていたオリジナルストーリーは世界観ぶちこわしの酷い内容だったが、2巻になって多少の丸みを帯びたか、はたまた作者が悟りを開いたのか、悪くないと思える出来になっている。
ひょっとすると私の原作への熱い思いが冷めかけていたからかもしれない。
もはや麻雀漫画とは呼べない程麻雀の影が薄くなっています。いや、大会は続行中だし麻雀ばっかりやっているのですが、登場キャラクターそれぞれの生い立ち+オカルト技の出し合いという感じですね。
そんな感じで、ちょっと単調になってきたように感じました。絵は相変わらず可愛らしいし、最後に収録されていたエピソードはなかなかのものでしたけれど。
7巻は初の中・短編集。
6巻までの旅の流れからは一度離れることになる。時系列は各話で異なるが、1篇目の中編は果たしていつの話なのだろうか、興味深い。
たかがジョークと侮るわけにはいかない。日本人が世界でどのような型に嵌められ、ジョークとして語られているのかが色々な民族性から描かれている。
この手のジョークは、大抵日本以外の国についても並列して語られるものが多いので、同時にそれらの国についても世界的にはどのような印象なのかを知ることができる。
また、この本で知り得ることは、ジョークの背景の解説にとどまらない。著者が自ら外国で遭遇した、日本に関する体験談。この国では日本はそういうイメージで見られているのだな、ということが身近に感じられる。
大学教授としての森先生の顔が伺える一冊。森先生の講義では、学生にプリントを渡し、その日の講義についての質問を書かせてその質問の内容を成績に反映させるという。
本書は、そんな理系学生の質問とそれに対する森先生の回答より、愉快なものや興味深いものを抜粋したものだ。これほどまで講義に全く関係なさそうな質問をする学生が多いのか、と驚く程だが、きっと私も森先生の講義を受けていたらそちら側だっただろう。
森先生はひどく性格が捻くれている(多分褒め言葉)ので並大抵の質問ではあっと言わせられない。あっと言わせる必要はないのだけど。