角川書店 (2002/07)
売り上げランキング: 8200
米澤氏の「古典部シリーズ」第二弾。省エネをモットーとするホータロー君が探偵役の学園モノである。
米澤氏の「古典部シリーズ」第二弾。省エネをモットーとするホータロー君が探偵役の学園モノである。
失礼ながら、ホントに同じ米澤氏なのか?というぐらい密度の濃い作品に仕上がっている。完璧に面白い、と手放しで賞賛するには少し物足りないが、印象に残る一冊であることは確かだ。
普段、当たり前だと思っていることでも、ミステリとなり得るという点で新鮮さを感じた。それがユーゴスラヴィアという他国の少女の目を通してならなおさら。ミステリを読んでいるという気はしない。もはやジャンルは何だってよい。
米澤氏お得意の学園モノだけど、読後感はさわやかではない。
ただただ、印象に残る一冊、としか。
作品の雰囲気は好きなのだけど、ライトノベルとしても、ミステリとしても弱い感が否定できない。キャラクターの個性は見え隠れするのだけど、それが魅力だと思えるほどに深くない。
ミステリ部分はどうかというと、読者に「いったいこの後どうなるのか?」といった期待を抱かせるに至ってないように思う。あまり山場が無いので、気楽に読み進めるのには良いだろう。ただ、気づいたら終わっていた気分になってしまうのが残念。
ただ、このユルさが好みの方もいるだろうし、デビュー作でこのクオリティは評価に値する。
む、これは甘い。でも、甘いだけじゃなくてなんか複雑な味。苦甘い?
春季限定~に続く第二弾。続編があるのなら楽しみに待ちたい作品群にノミネートされました。
残暑で疲れ果てた頭にはピリリと効く、小粒の一冊。ゆるゆるでオススメですよ。でもちょっと怖い。
珍しく、書店で表紙買いした本。
ドコカで見た絵柄だと思ったら、星新一氏の文庫新装版の挿絵(表紙)を描かれている方だ。片山若子さん。Webサイトに絵もあるので是非ご覧頂きたい。ほんわかだ。
さて、こちらの作品、レーベルは創元推理文庫だが、ミステリというよりはラノベ的要素が強い。基本ラノベでミステリ的な味付けといった感じか。米澤氏の作品は他もそんな作風の模様?
キャラクタは魅力的なのでラノベとしての素質は十分であるし、軽快で読みやすい文体も難しいことを考えたくない時には最適。スイスイ読み終えてしまった。
逆に言えばミステリに「らしさ」、重さを求める方にはオススメできないかも。