今回初めて知ったのですが、「伊勢神宮」ではなく、「神宮」が正式名称なのですね。
伊勢神宮(いせじんぐう)は、三重県伊勢市にある神社。神社本庁の本宗(ほんそう)とされ、正式名称は地名の付かない「神宮」(じんぐう)[1]である。他の神宮と区別する場合には「伊勢の神宮」と呼ぶこともあり、親しみを込めて俗に「お伊勢さん」とも言う。
伊勢神宮 – Wikipediaから引用
古来よりお伊勢参りとして庶民に親しまれてきた神宮ですが、近年では内宮近辺がさらに観光地化され家族連れで賑わっていますよね。「おかげ横丁」の成功っぷりは他の観光地も参考にするほどだとか。確かに連休でもないのにたいへんな人出でした。
さて、今回はタイトルにもあるようにその目的が特別参拝です。特別と書くからには特別なのですが、その方法と内容について書き留めておこうと思います。
特別参拝とは何なのか?
神宮で頂いた説明文を引用させて頂きたいと思います。
○特別参拝の意義
参拝位置は外玉垣南御門前です。
神宮ではこの御門より内側を御垣内と称し、祭典の場であり最も神聖な場所としています。
神聖な御垣内に御塩で清めを受けて参入し、参拝することを御垣内の特別参拝と言います。
御垣内でのご参拝は、神道の作法に則り、二拝二拍手一拝の作法でご参拝をいただいています。
古くは国のため人々のために奉公する官位を有する人達に限られ、参拝の位置もこれに準じて定められていました。
今日ではこれに加えて広く神宮にご奉賛を頂戴した方々にもご参拝をいただいています。
神宮より頂いた説明「特別参拝について」から引用
場所が重要なわけではない
通常とは違って、少しだけ神様に近い場所でお参りができるということです。
ただ、こうも書かれています:
○一般の参拝との違い
お参りとはあくまでも参拝しようとする神様に対する本人の心にあります。
御垣の内・外という参拝する場所の違いで、その軽重が変わるものではありません。
神宮より頂いた説明「特別参拝について」から引用
つまり重要なのは本人のお参りに対する意志であって、場所ではないということですね。
観光半分で缶ビール片手に赤ら顔で賽銭を放り投げるおっちゃん(さすがに居ないとは思いますが、極端な例です)と、確固たる意志と目的を持ってお参りする人には差があるかもね、ということです。
今回の特別参拝は、あくまでそれを形で表したに過ぎません。
形というのは具体的にしてしまうと奉納金のことですが、もう一つ真摯な態度を示すために重要な形があります。
服装を正すということ
○服装について
神前に額ずく時には自ずとその心は表に現れるものです。
一般のお参りにあってもそれに相応しい身なりに整えることが大切です。
御垣内の特別参拝をされる皆様には、本来ですと、正装でのご参拝をお願い致したいところではありますが、男声は背広ネクタイ着用、女性はそれに準じた礼を失しない程度の服装でお願いしています。
神宮より頂いた説明「特別参拝について」から引用
確かに、ジーンズにTシャツといった出で立ちでは、いくら「本気でお参りするつもりです!」と言われても現実味がないように思います。
とはいえ、さすがにモーニングまで用意するのは敷居が高いので略式礼装である普通のスーツにネクタイといった格好でも大丈夫として頂いているようです。
具体的な方法
スーツを着用し、身を引き締めたらいよいよ伊勢の神宮へと赴きましょう。
伊勢神宮というのは一般的には「おかげ横丁」と隣接する「内宮」のみをさして言われることが多いようですが、これは間違いで、伊勢地域に点在する合計125箇所の神社の総称です。
しかしながら実際に伊勢参りをするときには全てを回るわけにもいかないので、内宮のみとなっているのが現状です。時間に余裕があれば、正宮である外宮と内宮を合わせてお参りすべきだとは思います。この場合、外宮を先にお参りするのが習わしとなっているようです。
外宮に到着したら
まず社務所(お守りなどを頂ける場所)へ行き、式年遷宮への寄付を奉納したい旨を伝えます。
正式にはどう書いてあったか忘れてしまいましたが、「御奉納はこちら」コーナーのようなものがあったのでそちらへスーツ姿で向かえば社務所の方に解って頂けると思います。
こちらへご記入下さい、と名簿を差し出されますので、住所氏名と寄付金額を記入します。寄付金額はもちろん個人の自由なのですが、やはり金額の多寡によって特別参拝の扱いが違ってきます。
こちらのページにて詳しく解説されています。
・伊勢神宮-御垣内参拝
私が奉納したのは5000円ですので、3級の賛助会員です。
特別参拝ができるのは1回限りというわけです。寄付金を奉納しますと、上の写真のような書を頂けます。一番左にはその場で名前が入ります。
絵はがきも一緒に頂けます。
いざお参り
御正殿の前(つまり、いつも参拝している場所)の左手側に、神職の方が待機していらっしゃる場所があります。なんと呼べば良いのか解りませんが、そちらへ「会員証」を提示すると、御参拝の準備をして頂けます。まずは先ほどと同じように、名簿に名前と住所を記入します。
御垣内への入り口へ進むよう促されますので、そこで少し待つと、神職の方が塩でお清めをして下さいます。あとは、神職の後へついて進み、御垣内の中へと参入します。
ここでめちゃくちゃ緊張します。さらに足下は大きな玉砂利?とでもいうのでしょうか、石が敷き詰められており少し歩きづらいので気をつけて下さい。周りの人からの注目もちょっとしたものですので覚悟して下さい。
御垣内の所定位置につきますと、神職の方から「二拝二拍手一拝の手順で御参拝下さい」と言われますので、その通りにします。何かお願い事があるのでしょうから、ここで祈りましょう。長すぎるものは禁物だと思いますが・・・。
あとは神職の後に続いて退出します。
以上の流れは外宮でも内宮でも同じです。内宮の方が明らかに人が多いので、「あの人は何故スーツあんなところへ入っているのか」と思われること間違いないでしょう。さすがに緊張しましたが、自分が今日ここに来た理由とお願いごとを神様に告げて参りました。
ちなみに神様といえど万能ではないので、自分がどこから来た誰であるのかとりあえずハッキリさせないと始まらないみたいです。気合いを入れて願っても「で、誰?」となっては空回りですので、自分の意志だけではなく何者であるか、もはっきりと伝えるようにしましょう。
特別参拝とはいうけれど
そこまで特別な存在でもないのがお解り頂けたでしょうか。平成25年の式年遷宮に向けて、これから寄付を奉納されてはいかがでしょうか。特別な体験ができると思いますよ。