小説を書くために必要なのは、独創的な表現ではなく、物事を細部まで捉える力である。そしてそれを自分なりの言葉で表現することだ。
具体的な実践方法を交えて、小説を書き上げるために本当に必要な力とは何なのか、に気付かせてくれる。巷にはこういった「小説入門」が多く溢れているが、本書は評論家の目線で書かれていることで、より現実味のある、実践向きの内容となっているのではないかと思う。
ただ、これを読んだからといって2週間で小説が書けるわけではない。基礎には気付かせてもらえるが、そこから自分の小説観を作り上げていくのは、自分自身しかありえない。