支倉凍砂:狼と香辛料6

狼と香辛料 6 (6) (電撃文庫 は 8-6)
支倉 凍砂
メディアワークス
売り上げランキング: 1005

 6巻にきて少し勢いが衰えたように感じる。
 本シリーズは商売上の駆け引きというのが醍醐味だったと思うのだけれど、6巻ではそれが見られないのが残念。かといってホロがわっちわっちしている(造語)のかと思えばそうでもないので、少し残念だったと正直な感想を述べざるを得ない。
 二人の周りの活気であるとか、情景であるとかいった部分は伝わってきたので、その方向で楽しむしかない。巻頭に二人が旅をしている世界の地図が描かれているのもそれを助けるかもしれない。

Spencer Johnson : チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?
チーズはどこへ消えた?

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スペンサー ジョンソン
扶桑社
売り上げランキング: 567

 古い本だが、その内容はいつまで経っても錆びない名著である。
 自分にとってのチーズとは何なのか?そしてそれが消えたとき自分がとってしまう行動はどんなものかが見えてくる。
 その行動の問題点についても客観的に捉えることができるようになる。自分を登場人物の一人として眺めることができる新鮮な感覚。

伊坂幸太郎:重力ピエロ

重力ピエロ
重力ピエロ

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伊坂 幸太郎
新潮社
売り上げランキング: 44500

 「文句なく面白い」と胸を張ってオススメできる点でさすが伊坂幸太郎である。一方で扱っているテーマは重く、決して手放しで笑える話ではない。
 ただ、この本を読んでいる間は何故か心が軽かったように思うのだ。そしてこの物語を読み終え、それが現実ではないことに安堵すると同時に、こういった家族の形もあるのかもしれないな、と思う。

スカイ・クロラ オフィシャルガイド-Surface

スカイ・クロラ オフィシャルガイド-Surface
中央公論新社
売り上げランキング: 2325

 残念なのはページ数の割に価格が高い点のみ。
 それを除けば、映画版スカイ・クロラの情報を印刷物として持っておきたい人にはオススメできる。
 他メディアでは押井監督にばかりフォーカスを合わせているように感じるが、この本では原作者である森先生周辺も語られている。
 よしもとばなな氏x押井監督の対談ではそれぞれが森先生について語っていて興味深いですよ。

米澤穂信:ボトルネック

ボトルネック
ボトルネック

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米澤 穂信
新潮社
売り上げランキング: 71392

 米澤氏の作品はどれもそうだけど、特にこの作品は疲れた頭でもかなり読み易く感じた。
 きっと、ファンタジー的というか、ラノベ的設定要素が強いからだろう。パラレルワールド。嫌いな設定ではないけど、読後感は最悪だった。
 面白いには面白いのだけど、表現や謎の軽さと登場人物の内面の重さが釣り合わない印象を受けた。

勝間 和代:無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 171

 いくつかの勉強法については具体的な手法や必要な道具が示されており、即実行できる。

 実際にやってみると自分には合わなかったりするし、全てを真似しようとは思わないが、まずは実行してみよう、という気概が沸いてくる。

 この手の本には書かれていない事が多い、具体的な目標まで掲げてくれているのが心強いかな。

古谷 三敏:知識ゼロからのシングル・モルト&ウイスキー入門

ウィスキーについての一通りの基礎知識がわかりやすく書かれているので、入門に最適。挿絵として描かれる「BAR レモン・ハート」の面々もウィスキーに関するちょっとした小話を披露してくれるので、楽しくウィスキーの世界に浸ることができる。

今まであまり深く考えずにウィスキーを飲んでいたけれど、これからはこの本を参考にして様々な銘柄を飲んでみたいと思う。それぞれの味の違いを見いだせるような飲み方をしたい。

水野敬也:夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウ
夢をかなえるゾウ

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水野敬也
飛鳥新社
売り上げランキング: 3

よくある自己啓発系の本だけど、この本は面白かった。

「ためになる」とか言いたいところだけど、そうじゃなくて、いちいち「ゾウ」であるところの神様:ガネーシャがおもろい。いや、おもろくないけど、そこが逆におもろいというか。そもそもなんでインドの神様なのに大阪弁やねんと。

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海堂 尊:チーム・バチスタの栄光

第四回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品、押しも押されもせぬベストセラー。
映画化もされたようなのでかなりメジャーな作品だ。

手術室という、特異な場所で行われる殺人。
そして多くの監視の目が光っているという点である意味密室とも言えるのだ。
直接死に関わるようなモノを持ち込むのも不可能。
かつ、術死に見せかけたように殺さなくてはならない。

そもそもこれは、本当に殺人なのか?

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万城目 学:鹿男あをによし

鹿男あをによし
鹿男あをによし

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万城目 学
幻冬舎
売り上げランキング: 1228

ドラマは観ていなかったけれど、タイトルに惹かれて原作を読了。
話の方向性が全く予想外だったので、最後まで楽しく読み終えることができた。
というのも、玉木宏と綾瀬はるかでドラマ化されるぐらいなので、何かしら甘い恋愛が絡んでくるんだろうな、と思っていたのだ。
けれど、実際読んでみると驚いたことに強烈なファンタジーものだった。
「鹿男」が何かの比喩でも何でもなく、本当に「鹿の姿をした男」を指しているとは。

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